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オフショア・ニアショア開発の実態

主要IT調達トレンドの一つとして注目されているのが、オフショア・ニアショア開発の活用です。オフショア開発は、外部ベンダーとの協力を通じてコスト削減や開発リソースの確保を図る手法ですが、カントリーリスクや文化・言語の違い、時差、人件費の上昇などが課題となることもあります。こうしたリスクへの対応策として、近年では国内回帰を進め、ニアショア開発に取り組む企業が増加しています。ニアショア開発では、国内の近隣地域で日本語にて開発を行うことで、円滑なコミュニケーションや効率的なプロジェクト管理を実現できます。このアプローチにより、生産性の向上や高品質な成果を得ることが可能となります。

オフショアとニアショア開発の違い

ニアショア開発の特長

・コミュニケーションが容易
言語や文化の違いを意識せずコミュニケーションが可能です。
・時差の最小化
地理的にも近いことから、リアルタイムでの協力やすばやい問題解決が可能です。
・高い品質と国内法に準拠
日本固有の業務慣習やシステム開発手法を理解しているので、一定レベル以上の品質の確保が容易です。また、国内法に準拠した契約締結が可能です。

オフショア開発の特長

・大規模体制の構築が可能
オフショア主要国である、中国やベトナムの規模の大きい会社を活用して、大規模体制の構築が可能です。
・コストの削減
日本国内より安価な人件費の国の活用でエンジニアコストを削減することが可能です。現在は円安でコストメリットが出にくくなっていますが、円高になるとエンジニア単価プラスαの恩恵を受けることができます。
・初期ベンダー選定が難しい
初回発注時のベンダー選定が、国内企業の選定と比較して圧倒的に難易度が高いと言われています。
国民性の違いから、誇張気味に自己PRしてくるということもありますので、注意が必要です。

ニアショア開発 成功のポイント

01効果的な会議体設計

ニアショア開発における成功は、明確で効率的なコミュニケーションに大きく依存しています。会議体の設計を初期に実施し、定期的なビデオ会議や対面でのミーティングを行い、コミュニケーションの障壁を最小限に抑えることが重要です。

02プロジェクト管理と目標管理

プロジェクト初期段階では、進捗管理やタスク管理を詳細に見ていく事で、個々のエンジニアの生産性や特徴、強みなどを発見することができます。進捗に計画と差異が出た際には、原因がどのようなところにあるのかを明確にたどることで、より良いチームづくりを進めることができ、大幅なプロジェクトの遅延やコスト超過を防ぐことができます。柔軟性を持ちながら、アジャイル型のプロジェクト管理手法を導入することも効果的です。

03適切なニアショア起業ベンダの選定評価方法

開発プロジェクトの成功には、信頼できる外部ベンダーとの密接なパートナーシップが不可欠です。ニアショア起業を選定する際には、単に技術力だけでなく、その会社の姿勢や強み、コミュニケーション能力、業務遂行の柔軟性、そしてこれまでの実績などを総合的に評価することが重要です。幅広い企業群から選定するために、特定のサービスを活用するのも有効です。

04必要エンジニアリソース数の年間共有

必要なエンジニア工数や予定情報などの年間計画を外部ベンダーと事前に共有することで、外部ベンダーも要員計画がスムーズに行えるためビジネス関係性が大幅に高まります。このような情報共有は、長期的なパートナーシップを築く上で重要であり、双方の成功につながると考えられます。

オフショアとニアショア開発、どちらを選ぶべきか?

オフショア開発は、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。その理由は、コスト効率の高さと開発リソースの提供力にあります。特に、開発コストを削減したい場合や大規模なプロジェクトに必要な開発リソースが不足している場合には、オフショア開発が理想的な解決策となることがあります。さらに、グローバルな市場における24時間体制の作業進行は、プロジェクトの納期短縮にも貢献します。このように、オフショア開発は企業にとって非常に有益であり、慎重に検討する価値があると言えます。

しかし、オフショア開発に取り組む際には、コミュニケーションの障壁や文化的な違い、プロジェクト管理の複雑さ、時差による作業時間の不一致といったリスクにも注意する必要があります。これらの問題が解決されない場合、プロジェクトの遅延や品質の低下、最終的なコスト増加といった悪影響が企業に及ぶ可能性があります。特に細かいコミュニケーションが求められるプロジェクトや、短期間での高品質な成果物が必要な場合には、これらのリスクが顕著に現れることがあります。このため、これらのリスクを最小限に抑えるために適切な対策や戦略の導入が必要となります。

また、開発コスト面に関しても、中国やベトナム国内の人件費も年々上がっておりますが、特に影響が大きいのが、最近の3年間で中国の元やベトナムのドンに対する円安が35%も進んでおり、以前のようなコストメリットが得られにくくなっています。市場の動向やリスクに対する正確な情報を収集し、的確な判断を下すことが不可欠です。

日本国内でのニアショア開発は、オフショア開発の代替案として位置づけられています。地理的に近く、時差もなく文化的な相互理解も可能で、コミュニケーションがスムーズになります。共通の労働時間による即時のフィードバックや迅速な問題解決、プロジェクト管理の効率も大幅に向上します。

企業がオフショアまたはニアショアの開発モデルを選択する際には、プロジェクトの特性や使用技術、コミュニケーションの必要性、品質基準、納期、予算など、多くの要素を総合的に考慮する必要があります。全てのプロジェクトや企業においてニアショア開発が最適とは限りませんが、オフショア開発に伴うリスクを回避し、より効率的なプロジェクト進行を目指す際には、価値ある選択肢となり得ます。

最終的には、企業のビジネス目標やリスク許容度、プロジェクトの要件に基づいて、ご選択いただくことになります。

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