「DX推進」や「DXのメリット」について情報収集されている方は、自社の将来像を見据え、デジタルによるビジネス変革の可能性を探られていることと思います。
しかし、「具体的にどのような効果があるの?」「何から始めればいいの?」などの疑問や不安を抱いているかもしれません。
本記事では、企業のDX推進を数多く見てきた専門的な知見に基づき、DX推進によって得られる具体的なメリットや実際にプロジェクトを成功に導くためのステップなどを実践的な視点からわかりやすく解説します。
私たち一般社団法人日本ニアショア開発推進機構(ニアショア機構)は、首都圏を中心とした発注企業と地方にあるシステム開発会社をつなげる「Teleworks」を運営しています。
システムエンジニア等1~5人でシステム開発できるような小規模案件も得意としており、コストを抑えつつ高品質のシステムをこれまで数多く提供してきました。
テレワーク普及に伴い累計受注額は順調に増加し、相談実績は500件以上です。このような実績がある私たちだからこそ知る、現場のリアルな声も紹介します。
海外ではなく国内の地方で開発したシステムで安全にDX推進したい企業様は、ニアショア機構が提供する「Teleworks」の詳細をぜひご確認ください。
DX推進は、単なるコスト削減や効率化にとどまらず、企業の競争力そのものを根本から強化する可能性を秘めています。
ここでは、企業がDXによって具体的にどのようなメリットや成果を期待できるのか、わかりやすく解説します。
DX推進がもたらす最も直接的でわかりやすいメリットのひとつが、業務プロセスの抜本的な見直しによる効率化と生産性の向上です。
AIやAIエージェントといった技術を活用することで、これまで人間が手作業でおこなっていたデータ入力や定型的なレポート作成、伝票処理などの反復業務を自動化できます。これにより、従業員はより付加価値の高い創造的な業務に集中できるようになるでしょう。
また、クラウドサービスを積極的に活用すれば、自社で物理的なサーバーを保有および管理する必要がなくなり、インフラの維持管理コストや保守に関わる人件費を大幅に最適化することも可能です。
こうした取り組みは、特に部門や拠点を多く抱える大規模な組織であるほど、全社的に見た際のコスト削減効果は計り知れないものとなります。
現代の市場において、顧客との関係性は「一度きりの取引」から「継続的なエンゲージメント」へと変化しています。DXは、この新しい顧客関係を構築する上で極めて重要な役割を果たします。
デジタル技術を活用して顧客の購買履歴や行動データ、問い合わせ内容などを一元的に分析することで、一人ひとりのニーズや嗜好を深く理解できます。
その理解に基づき、パーソナライズされた商品レコメンドや情報提供をおこなう、あるいは実店舗とオンラインストアの垣根をなくし、顧客がいつでもどこでも最適なサービスを受けられるようにする必要があります。
こういったオムニチャネル戦略の強化といった一貫性のある質の高い顧客体験(CX)を提供することは重要です。
このような顧客中心のアプローチは、顧客満足度を飛躍的に高め、結果としてブランドへの信頼と愛着(ロイヤルティ)を育み、リピート率向上や新規顧客獲得へとつながっていきます。
DXの本質は、既存事業の延長線上にはない、まったく新しい価値提供やビジネスモデルを生み出すことにあります。
社内外に蓄積された膨大なデータを分析することで、これまで見過ごされていた市場のニーズや変化の兆候をいち早く察知し、新たな事業機会を発見できます。
例えば、製品を販売するだけでなく、その製品にセンサーを取り付けて稼働データを収集し、保守や最適化といったサービスと組み合わせて提供する「リカーリングモデル(継続課金モデル)」への転換もDXの一例です。
また、デジタルプラットフォームを構築して新たなエコシステムを形成したり、既存の事業資産をサービスとして外部に提供したりすることも考えられます。
こうした変革は、企業に新たな収益源をもたらすだけでなく、市場のルールを自ら変える「破壊的イノベーション(デジタルディスラプション)」を起こす側に立つ可能性を秘めており、持続的な競争優位性を確立するための鍵となります。
予測不可能な時代において、変化に強く、しなやかな企業体質を構築することは、すべての企業にとって喫緊の課題です。
DXは、企業のレジリエンス(回復力・弾力性)を高める上でも大きなメリットをもたらします。
基幹システムをオンプレミス環境からクラウドへ移行することで、ビジネスの拡大や縮小に合わせてシステムリソースを柔軟に変更でき、突発的なアクセス集中にも対応しやすくなります。
また、リモートワーク環境を整備し、セキュアな情報共有プラットフォームを導入しておくことは、パンデミックや自然災害といった非常事態においても事業を継続させるための事業継続計画(BCP)の中核となります。
さらに、サプライチェーン全体をデジタル化して可視性を高めれば、一部の供給網が寸断された場合でも、迅速に代替ルートを確保するといった対応が可能になり、事業リスクを大幅に低減できるでしょう。
DX推進の中核をなすのが、データに基づいた意思決定、すなわち「データドリブン経営」への転換です。
従来、多くの企業の意思決定は、経営層の経験や勘に依存する部分が少なくありませんでした。
しかし、DXによって販売、製造、財務、人事といった各部門に散在していたデータを統合し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを用いて可視化・分析することで、客観的な根拠に基づいた、より迅速かつ精度の高い意思決定が可能になります。
市場の動向や経営状況をリアルタイムに把握し、問題の早期発見や将来予測の精度向上につなげることは、変化の激しい現代の事業運営において極めて重要な観点です。
DXは、顧客や市場だけでなく、社内で働く従業員にも多大なメリットをもたらします。これは、優秀な人材の確保と定着が経営の重要課題となる中で、見過ごすことのできない効果です。
例えば、柔軟な働き方を可能にするチャットツールやWeb会議システム、プロジェクト管理ツールなどを導入することで、時間や場所にとらわれない多様なワークスタイルを実現できます。
また、前述の業務効率化によって不要な残業時間が削減されれば、従業員はワークライフバランスを改善できるでしょう。
さらに、単純作業から解放された従業員が新しいデジタルスキルを習得するためのリスキリング支援をおこなうことは、個人の成長意欲を刺激し、仕事への満足度とエンゲージメントを高めます。
こうした取り組みが、結果として組織全体の生産性を向上させ、イノベーションが生まれやすい企業文化の醸成につながるのです。
DX推進は長期的な取り組みであり、計画的かつ段階的に進めることが成功の鍵となります。ここでは、多くの企業が参考にできる、DX推進プロジェクトの具体的なステップを解説します。
「なぜDXをおこなうのか」「DXによって何を達成したいのか」という、全社共通の目的と明確なビジョンを設定します。これは非常に重要なポイントで、経営戦略との整合性を図り、具体的な数値目標(KPI)を設定する必要があります。
自社の既存システム、業務プロセス、組織文化、人材、顧客接点などを多角的に分析し、DX推進の阻害要因となる課題を具体的に洗い出します。特に、既存システムの複雑化やブラックボックス化がもたらすリスクの可視化および棚卸しは重要です。
現状分析で明らかになった課題と設定した目的に対し、どのようなアプローチで解決していくのか、具体的な戦略を策定します。短期・中期・長期の視点で、どの領域から着手し、どのような順番で進めるかを示すロードマップを作成します。
DXを推進するための専門部署の設置、各部門からのキーパーソンの選出、経営層のコミットメントの強化など、組織体制の構築をおこないます。また、DXに必要なスキルを持った人材の確保(採用および育成)が大きな課題です。
スモールスタートやアジャイル的アプローチでDXを推進していきます。いきなり全社的な大規模プロジェクトを始めるのではなく、特定の部門やテーマで小さく始めて成功事例を作り、そこから学びを広げていくという流れです。これにより、リスクを抑えつつ、変化に迅速に対応しながらDXを推進できます。
実行した施策の効果を定期的に測定し、当初の目標達成度を評価します。成果が出ているか、課題は何かを常に把握し、計画や施策を柔軟に見直していくPDCAサイクルを回す必要があります。
大手企業ならではの複雑な組織構造や既存システムの状況は、DX推進における特有の課題を生み出します。ここでは、多くの大手企業が共通して直面しやすい課題と、それらを乗り越えるための具体的な対策を解説します。
長年の慣習や文化、既存業務への固執、変化に対する不安感などが、DX推進の大きな壁となることがあります。
これに対しては、経営層からの継続的なメッセージ発信、DXの目的やメリットの丁寧な説明、成功事例の共有、従業員のリスキリング支援などを通じた意識改革が重要です。
複雑化あるいはブラックボックス化したレガシーシステムが、新しいデジタル技術の導入やデータ活用を阻害する課題になることもあります。
それに対する具体的な解決方法は、システムの可視化、段階的なモダナイゼーション、データ連携基盤の構築などです。
高度なデジタルスキルやビジネス変革スキルを持ったDX人材が社内に不足している企業は少なくありません。
社内育成プログラムの構築、外部からの採用、そして外部パートナー(システム開発会社やコンサルタント会社など)の活用が、この課題を解決するための有効な手段です。
DX推進には相応の投資が必要であり、ユーザー企業(一般事業会社)は既存の業務システムの維持活動とDX等の取り組みに対応する必要があります。
予算は限定的ですので、既存の業務システムの維持でコストダウンを図り、DX等の取り組みに回すのがトレンドです。
DX推進の目的が曖昧なまま、最新のデジタルツールを導入すること自体が目的となってしまい、期待した成果が得られないケースもあります。
常に「何のためにそのツールを導入するのか」「その導入でどのような変革を目指すのか」という問いを持ち続けることが重要です。
DX推進は、単に計画通りに進めるだけでなく、重要なポイントを押さえることで成功確率を格段に高めることができます。ここでは、特に大手企業が意識すべき成功要因を解説します。
DXは、単なるITプロジェクトではなく、企業全体のビジネスモデルや組織文化を変革する経営マターです。
したがって、トップダウンで強力に推進する経営層のリーダーシップが何よりも不可欠です。
経営層自らがDXのビジョンを情熱をもって語り、必要なリソース(ヒト・モノ・カネ)を投下する覚悟を示し、変革へのメッセージを社内に向けて一貫して発信し続けることが重要です。
組織全体の意識を変え、推進力を生み出す原動力となります。また、時には失敗もつきものである変革のプロセスにおいて、挑戦を奨励し、失敗を許容する文化を醸成することも、経営層の重要な役割です。
自社だけのリソースや知見には、どうしても限界があります。
特に、高度な技術力や専門的なノウハウが求められるシステム開発の領域においては、信頼できる外部パートナーと戦略的に連携することが、DX推進を加速させる鍵となります。
システム開発会社やコンサルティング会社、SaaSベンダーなど、世の中には様々な専門家が存在します。
自社の弱みを補い、新たな視点をもたらしてくれるパートナーをいかに見つけ、良好な関係を築くかが重要です。
特に、首都圏では競争が激しく、優秀な開発パートナーの確保が困難な場合もあります。
しかし、視野を地方に広げることで、高い技術力を持つ開発会社と安定したパートナーシップを築くことが可能になります。これは、DXを中長期的に推進する上で非常に有効な戦略です。
DXの主役は、最新のテクノロジーではなく、それを使いこなす「人」です。従業員一人ひとりが変革の当事者であるという意識を持つことが、DX成功の土台となります。
そのためには、従業員がこれからの時代に必要とされるデジタルスキルやデータ分析能力を習得するための「リスキリング」の機会を、会社として体系的に提供することが重要です。
また、DXの進捗状況や成果、直面している課題などを、社内報やポータルサイト、定期的な説明会などを通じて全社でオープンに共有し、部署間や従業員間のコミュニケーションを密にすることも欠かせません。
こうした地道な取り組みが、変革に対する従業員の不安を和らげ、組織としての一体感を醸成する上で不可欠なのです。
DX推進において、ビジネス変革の核となるシステム開発リソースの確保は、多くの企業が直面する共通の課題です。
優秀なデジタル人材の採用や育成には時間がかかり、社内だけではスピード感を持った推進が難しいケースも少なくありません。
そこで検討していただきたいのが、首都圏の企業と地方の技術力のあるシステム開発会社を適切につないでテレワークを活用した開発を推進する、ニアショア機構が運営する「Teleworks」です。
Teleworksを利用すると、プロジェクトの初期段階や、特定の部門のシステム開発など、システムエンジニア1〜5名といった小規模な体制から柔軟に開始できます。
地方のシステム開発会社に所属する8,000名以上の正社員エンジニアが登録しており、確かな技術力と豊富な開発実績を持っています。さらに、テレワーク開発に必要な独自の教育プログラムも整備されており、円滑にコミュニケーションを図れます。
今、地方ではAI活用に強い会社が増加しています。そういったパートナーと一緒に、貴社のDX推進をサポートします。東京だとそういった会社を確保するのは難しいため、地方の優秀なシステム開発会社を囲うのも有効な手段です。
当機構のマッチングにより、間に複数の業者が入ることなく、発注企業と開発会社が直接契約を結べます。これにより、密なコミュニケーションと柔軟な開発体制を実現します。
相談実績は500件以上と、多くの企業のシステム開発を支援してきた実績があります。複数の主要メディアでもご紹介いただいており、安心してご利用いただけます。DX推進したいなら、ぜひニアショア機構にお問い合わせください。
金融、ITベンチャーを経て株式会社パソナ(現)にて事業企画・実行に従事。大規模法人向け外注戦略を担うコンサルティング部門を企画設立し部門長。その後、IT調達分野のコンサルティング会社を設立し、セミナー・寄稿多数。外注戦略支援、コスト最適化、偽装請負是正では国内有数の実績を持ち、システム開発会社の再構築・再生も多数実行。2013年より「ニアショア活用による地方活性化で日本を再生する」ビジョンのもと、一般社団法人日本ニアショア開発推進機構を開始。