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DX導入とは?具体的な内容や直面しやすい課題と解決策などを解説

  • ソフトウェア開発
  • 2025年9月4日

「DX導入とはどういう意味?」「DX導入は具体的にどういったもの?」などの疑問を持つ企業のご担当者様もいらっしゃるでしょう。

今までやってきたことをデジタル化するということはわかるけど、それを導入するというのはどういうことなのか、具体的に想像しづらいかもしれません。

そこで、この記事では、多くの企業のDX推進を支援してきた知見に基づき、そもそもDX推進とは何なのかお伝えした上で、失敗しないためのDX導入の具体的な進め方、必要な準備、大手企業が直面しやすい課題とその解決策などについて網羅的に詳しく解説します。

この記事を読むと、貴社におけるDX導入プロジェクトを確実に成功に導くための具体的な道筋と、必要なリソース確保のヒントを得られます。

私たち一般社団法人日本ニアショア開発推進機構(ニアショア機構)は、首都圏を中心とした発注企業と地方にあるシステム開発会社をつなげる「Teleworks」を運営しています。

コストを抑えながら高品質のシステムをこれまで数多く提供してきました。テレワーク普及に伴い累計受注額は順調に増加し、相談実績は500件以上です。このような実績がある私たちだからこそ知る、現場のリアルな声も紹介します。

海外ではなく国内の地方で開発したシステムで安全にDX導入したい企業様は、ニアショア機構が提供する「Teleworks」の詳細をご確認ください。

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DXとは?導入前に押さえたいポイント

DXを成功させるためには、単に新しいテクノロジーを導入するだけでなく、その目的と本質を正しく理解することが不可欠です。ここでは、「導入」という言葉が示す意味合いを含め、改めてDXの本質について解説します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義

DXは、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品、サービス、ビジネスモデルを変革するとともに、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することです。「DX導入」は、この変革に向けた最初の一歩を踏み出すプロセスを指します。

実際の例としては、大手ゼネコンがAI技術発展に合わせて、建設の設計資料の認識にAI画像認識技術を導入した例があります。設計資料を読み込ませて、過去にどういうものが類似であったのか実証実験しました。設計資料を読み込ませたら、どれくらいの原材料が必要なのか表示させるシステムもあります。

こういった効果的なDX推進に取り組むためには、現場から「こういうことできないの?」という、自動化依頼を徹底的にリサーチするのも有効です。手間暇かかってたり、オートメーションが組めそうなところを現場から聞いて、システムやAIの力で自動化していくのが理想的です。

当機構「Teleworks」で実際に取り扱った案件としては、不動産でマンションを建設している企業様で、その売買契約書を会員サイトでいつでも見れるようにするというWebサイト開発事例もありました。

DX導入が単なるツール導入やIT化と異なる理由

DX導入は、これまで多くの企業が進めてきたITツールの導入や業務のIT化とは、その目的とスコープにおいて根本的に異なります。

従来のIT化は、既存の業務プロセスを前提として、その一部をデジタルツールに置き換えることで効率化やコスト削減を目指す、いわば「部分最適」のアプローチでした。

一方で、DX導入が目指すのは、デジタルを前提としてビジネスモデルや顧客への価値提供の方法、さらには企業文化そのものを抜本的に変革し、新たな価値を創造する「全体最適」のアプローチです。

この本質的な違いを認識せずにDX導入を進めてしまうと、高価なツールを導入しただけで現場の業務は何も変わらない、といった「手段の目的化」に陥り、DXがもたらす真の成果を得ることはできないでしょう。

なぜ今、大手企業にとってDX導入が避けられないのか

では、なぜ今、これほどまでに多くの企業、特に大手企業にとってDX導入が避けられない経営課題となっているのでしょうか。その背景には、企業を取り巻く外部環境と、企業が内包する内部環境の両面における、深刻な課題が存在します。

外部環境としては、デジタル技術によって新規参入者が既存の業界秩序を破壊する「デジタルディスラプション」が加速し、市場競争は激化の一途をたどっています。

また、顧客ニーズはますます多様化・高度化し、その変化のスピードも速まっています。こうした環境下で生き残るためには、従来通りのやり方では対応しきれなくなっているのが現状です。

内部環境としては、多くの大手企業が長年利用してきた基幹システム、いわゆる「レガシーシステム」の老朽化と複雑化が深刻な問題となっています。これを放置すれば、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されており、これを「2025年の崖」と呼びます。

これらの課題に的確に対応し、企業の持続的な成長を実現するためには、DX導入による抜本的な変革がもはや不可欠です。

また、DX推進のメリットについてさらに詳しく知りたい方は「DX推進のメリットとは?具体的な進め方や大手企業が直面しやすい課題など」を参考にしてください。

大手企業向けDX導入の具体的な6つのステップ

DX導入を成功させるためには、明確な計画に基づき、段階的に進めることが重要です。ここでは、大手企業がDX導入プロジェクトを進める上での具体的なステップと、それに沿ったロードマップ作成のポイントを解説します。

1.DX導入の目的とビジョンの設定

「なぜDXを導入するのか」「DX導入によって何を達成したいのか」という、全社で共有すべき明確な目的と、目指すべき将来像(ビジョン)を設定します。

経営戦略との整合性を図り、「売上〇%向上」「コスト〇%削減」「顧客満足度〇ポイント向上」など、可能な限り具体的な目標(KPI)を設定することが重要です。

2.現状分析と課題の特定

自社のビジネスプロセス、既存システム(レガシーシステム)、組織体制、企業文化、顧客接点などを詳細に分析し、DX導入を妨げる要因となる課題を特定します。

特に、既存システムの依存度や複雑性を評価し、モダナイゼーション(古くなったIT資産であるハードウェアやソフトウェアをニーズに合わせて最新の製品や設計構造に置き換えること)やデータ連携の課題を明確にすることが、後の計画策定に不可欠です。

3.DX戦略の策定とロードマップ作成

特定された課題と設定した目的に対し、どのようなアプローチでDXを進めるのか、具体的な戦略を策定します。

そして、その戦略に基づき、短期・中期・長期で取り組むべきテーマ、優先順位、リソース配分、スケジュールなどを示すロードマップを作成します。

全社展開を目指す場合でも、まずは特定の領域で小さく始める「スモールスタート」を盛り込むことが現実的です。

4.推進体制の構築と必要なリソースの確保

DX導入を推進するための専任チームや部署を設置し、経営層を含む関係者の役割と責任を明確にします。また、プロジェクトに必要な予算、技術、そして最も重要な「人材」といったリソースをどのように確保するかを具体的に計画します。

社内リソースだけでは不足する場合、外部パートナーの活用も視野に入れます。なお、ニアショア機構が提供する「Teleworks」なら、安価で高品質なシステムを円滑に開発可能です。

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5.スモールスタートでの施策実行と効果検証

策定したロードマップに基づき、影響範囲の少ない領域や、早期に効果が見込めるテーマから、具体的な施策をスモールスタートで実行します。

概念実証(PoC)やパイロットプロジェクトを通じて、技術的な実現可能性、効果、課題などを検証して学びを得ます。

6.全社展開や本格導入と継続的な改善

スモールスタートでの成功事例や学びを基に、施策を全社展開や本格導入していきます。そして、導入後も設定したKPIを定期的に測定して効果を評価します。

計画通りに進んでいるか、新たな課題は発生していないかを確認して継続的な改善サイクル(PDCA)を回していくことが、DXを文化として根付かせるために重要です。

大手企業がDX導入時に直面しやすい課題と解決策

大手企業ならではの規模や構造は、DX導入において独自の課題を生み出すことがあります。これらの課題を事前に理解し、対策を講じることが、プロジェクトの成否を分けます。ここからは、多くの大手企業が共通して直面する課題と、その具体的な解決策を解説します。

既存システム(レガシーシステム)からの脱却

長年運用されてきたレガシーシステムは、ブラックボックス化、システムのサイロ化、最新技術との連携困難など、DX導入の大きな足かせとなります。

これに対し、システムの可視化と棚卸し、段階的なモダナイゼーション、または影響範囲を限定した新たなシステム構築といったアプローチで、計画的に対処する必要があります。

組織文化の壁と変化への抵抗

長年の慣習や成功体験に基づく組織文化、そして変化に対する従業員の抵抗感は、DX導入を阻む見えざる壁となります。

経営層からの継続的なメッセージ発信、DXの目的とメリットの丁寧な説明、従業員のリスキリング支援、成功事例の共有などを通じて、全社的な意識改革と協力を促進することが不可欠です。

DX人材の不足とスキルギャップ

DX推進に必要な高度なデジタルスキルやビジネス変革スキルを持った人材が社内に不足していることは、多くの企業が抱える共通の課題です。

社内での人材育成(リスキリング)、外部からの採用に加え、外部の専門的なリソース(システム開発会社やコンサルティングファームなど)を戦略的に活用することが、この課題を解決するための現実的かつ効果的な手段となります。

複数の利害関係者の調整

大手企業には、様々な部門やグループ会社、外部パートナーなど、多様な利害関係者が存在します。

DX導入においては、これらの関係者間の調整や合意形成が複雑になりがちです。早期に関係者を特定し、目的やビジョンを共有し、コミュニケーションを密に取ることが、円滑な推進には不可欠です。

目的と手段の混同を防ぐ

DX導入の目的が曖昧なまま、最新のデジタルツールや技術を導入すること自体が目的化してしまうと、期待したビジネス成果は得られません。

常にビジネス上の目的を意識し、その目的達成のために最適な手段(テクノロジー、プロセス、組織)を選択することが重要です。

DX導入を成功に導くためのポイント

DX導入プロジェクトを成功に導くためには、前述のステップと解決策に加え、3つのポイントを常に意識する必要があります。

これらは、特に大手企業において、推進力を維持し、成果を最大化するために欠かせない要素です。そのポイントについて解説します。

経営層の強いリーダーシップと継続的なコミットメント

DX導入は、一部門の改善活動ではなく、会社全体の事業戦略や組織文化に関わる壮大な変革です。したがって、経営層がその本質的な意義を誰よりも深く理解し、強いリーダーシップを発揮することが成功の絶対条件となります。

経営層自らが変革の「顔」としてビジョンを語り、必要なリソースを投下する覚悟を示し、困難な局面においても推進し続ける姿勢を見せることが、社内全体の士気を高め、部門の壁を越えた協力を引き出す原動力になります。

外部パートナーとの効果的な連携

変化の激しい時代において、全ての知見やリソースを自社だけで賄う「自前主義」には限界があります。

外部の専門的なパートナーが持つ力を戦略的に活用することが、DX導入を加速させるための賢明な選択です。

特に、高度な技術力や専門的な開発ノウハウが求められる領域においては、信頼できるシステム開発会社やDXコンサルタント、ソリューションベンダーとの連携がプロジェクトの成否を左右します。

自社にない視点やスキルを取り入れ、良き伴走者となってくれるパートナーを見つけることが極めて重要です。

データに基づいた意思決定とアジャイルな推進

DXの本質はデータ活用にあると言っても過言ではありません。勘や経験だけに頼るのではなく、収集したデータを分析し、そこから得られる客観的な根拠に基づいて意思決定をおこなう文化を醸成することが求められます。

また、DXの道のりでは、計画通りに進まないことや予期せぬ課題が発生することが前提です。初期の計画に固執するのではなく、状況の変化に素早く対応し、短いサイクルで試行錯誤を繰り返しながら柔軟に軌道修正できる「アジャイル」な開発・推進手法を取り入れることが、不確実性の高いプロジェクトを成功に導く上で非常に効果的です。

DX導入に関するよくある質問

DX導入を検討される企業のご担当者様からよく寄せられるご質問とその回答をまとめました。

DX導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

DX導入の期間は、目指す変革の範囲、対象となるシステムの規模、組織の準備状況などにより大きく異なります。

スモールスタートであれば数ヶ月で成果が見えることもありますが、全社的なビジネスモデル変革を目指す場合は、数年からそれ以上の期間を要するのが一般的です。焦らず、段階的なロードマップに沿って進めることが重要です。

DX導入の費用はどのくらいかかりますか?

費用は、プロジェクトの規模や内容によって大きく変動します。システムの開発および改修費用、ツール導入費用、コンサルティング費用、人材育成費用などが含まれます。

正確な費用は個別に見積もりが必要ですが、スモールスタートから始めることで初期投資を抑えることも可能です。また、国の補助金制度なども活用できる場合があります。

そのあたりも、ニアショア機構は丁寧にヒアリングして、ご希望に沿ったご提案をさせていただきます。

社内メンバーのDXへの理解が低いのですが、どうすればよいですか?

これは多くの企業が直面する課題です。まずは、なぜ今DXが必要なのか、そしてDXが従業員一人ひとりにもたらすメリット(単純作業からの解放、新しいスキル習得の機会など)を、経営層からのメッセージや社内研修、ワークショップなどを通じて繰り返し、わかりやすく説明することが大切です。

また、理屈だけでなく、スモールスタートで早期に小さな成功事例を作り、「DXは自分たちの仕事を良くするものだ」という具体的な成果を示すことも、理解と協力を得る上で非常に有効なアプローチです。

DX導入におけるリソース確保は「ニアショア機構」へ

私たち一般社団法人日本ニアショア開発推進機構(ニアショア機構)は、首都圏をはじめとする大手企業様と、地方の技術力のある開発会社様を適切につなぎ、テレワークを活用したシステム開発を推進しています。

地方には、安定した雇用環境で高い技術力を培ってきた、DX導入に必要なシステム開発を担えるエンジニアが多数在籍しています。企業様が当機構を選ぶ4つのメリットを紹介します。

DXのスモールスタートを支援

まずは小規模なPoCやパイロットプロジェクトから始めたい場合でも、システムエンジニア1〜5名といった柔軟な体制でスタートできます。これは、リスクを抑えつつ効果を検証したい企業様のニーズに合致します。

高品質かつ安定した開発力

地方の開発会社に所属する8,000名以上の正社員エンジニアが対応します。フリーランスではなく、組織として技術力と品質を担保し、テレワーク開発に必要な独自の教育プログラムを受講しているため、安定した開発体制を構築できます。

効率的な開発パートナー選定

多数の審査済みシステム開発会社の中から、貴社のDX導入目的に最適な技術力や経験を持つパートナーをご紹介します。

開発会社と直接契約を結べるため、中間コストを削減しつつ、スムーズな連携が可能です。

豊富なDX関連開発実績

テレワーク普及に伴い累計受注額は順調に増加し、相談実績は500件以上と、多くの企業様のシステム開発を通じてDX導入を支援してきた豊富な実績があります。

少しでもニアショア機構にご関心を持っていただけたのなら、ぜひ下記リンクから詳しいサービス内容をご確認ください。

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